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小林 泰彦; 木口 憲爾*
Isotope News, (593), p.9 - 12, 2003/09
イオンビームは、直進性や深度制御性が優れているため、生物組織中の特定の細胞や組織・器官を不活性化させて発生・分化過程や形態形成過程への影響を調べるなど、薬剤投与や外科的処置に代わる新しい解析プローブとして応用できる。今回は、カイコ幼虫への重イオン局部照射による微細外科手術(ラジオマイクロサージャリ)で造血器官や血球の生理機能の解析を試みた最近の研究成果を紹介し、ラジオマイクロサージャリ技術が従来の外科的な組織摘出法に代わる有効な生体機能の解析手段となることを示す。
Tu, Z.; 小林 泰彦; 木口 憲爾*; 渡辺 宏; 山本 和生*
Journal of Radiation Research, 43(3), p.269 - 275, 2002/11
被引用回数:11 パーセンタイル:32.13(Biology)原研高崎研イオン照射研究施設(TIARA) に設置された生物用重イオン照射装置を利用し、重イオンビームの局部照射によるラジオサージャリー技術を用いてカイコの造血器官の機能解析を試みた。カイコ幼虫における血液中の血球密度の変動を調べた結果、非照射の対照蚕の5齢0日目から5齢3日目まで血液中の血球密度が発育に伴い徐々に上昇し、それ以降熟蚕期にかけて急上昇した。一方、4齢催眠期幼虫の造血器官に致死的線量の重イオンを局部照射した場合は、造血器官の機能のみが障害をうけ、5齢0日目から5齢3日目まで血球密度は変化しなかった。5齢4日目以降になって、血球密度の上昇が認められたが、対照蚕と比較すると低いレベルに留まった。一方の造血器官にのみ照射した場合、もう一方の造血器官による血球密度の補償作用は見られなかった。
Tu, Z. L.*; 白井 孝治*; 金勝 廉介*; 木口 憲爾*; 小林 泰彦; 田口 光正; 渡辺 宏
日本蚕糸学雑誌, 68(6), p.491 - 500, 1999/00
昆虫に適用可能な重イオンビームによるラジオサージャリ技術を確立する目的で、原研高崎研の深度制御種子照射装置を用いて家蚕幼虫の造血器官存在部位(翅原基付近)を局部照射または全体照射し、血球の計数、血漿蛋白質の分析、遊離アミノ酸の測定などにより重イオン局部照射の影響を解析した。重イオン全体照射蚕の血球数は雌雄とも5齢起蚕から4日目までほとんど増加せず、熟蚕になりやや回復した。血中のアミノ酸含量も対照蚕より減少した。SDS-PAGEでは、照射蚕の血漿中に特異的に増加する蛋白質のバンドが80kDa付近に認められた。一方、造血器官存在部位のみへの局部照射によっても全体照射と同様の影響が認められた。以上の結果から、造血器官存在部位への重イオン局部照射により、血球の機能解析が可能と考えられる。